ナラティヴ・カフェ Narrative Cafe

Diabetes Cafe:糖尿病診療におけるナラティヴ・アプローチ

ナラティヴ・カフェ Narrative Cafe header image 2

ナラティヴ・アプローチにとって大切な倫理的態度

8月 22nd, 2017 · No Comments · ナラティヴ・アプローチ(病いの語り、意味)

「ものがたり塾2017」が終わって思うこと
〜医療界の”地の塩”になれ!〜

2017年8月19〜20日、岩手県八幡平市で下記のセミナーが開催されました。
ものがたり塾 「ナラティブ、倫理、哲学から患者への善い実践を紐解く 〜患者への最善を巡る終わりなき旅〜」

「ものがたり塾2017」が終わったあとも、FBのメッセンジャーを使って、ご一緒させていただいた松嶋 大先生、金城隆展さんと反省会のようなものをやっていました。その過程で気づいたことがあったので書いてみたいと思います。

松嶋先生は認知症の治療、在宅ケアをはじめ、地域医療の中で”善き実践”を真っ直ぐに追求している先生です。金城さんは琉球大学地域医療部に所属しながら、臨床倫理士、倫理コンサルタントとして、さまざまな分野で活躍されています。僕はというと、主に外来診察室という場で、糖尿病診療におけるナラティヴ・アプローチを探求する身であり、どちらかと言えば「個人の心理的支援」に軸足を置いた活動をしてきました。

■「倫理」と「ナラティヴ」のジョイントで気づいたこと

今回、松嶋先生の計らいによって、はじめて「倫理」と「ナラティヴ」という形式で金城さんとジョイントさせて頂きました。
そこで僕が思ったのは、ナラティヴ・アプローチの実践における「倫理的態度」の重要性でした。医療という世界は科学的根拠、臨床疫学的なデータが幅を利かせている世界です。そうした状況の中で、患者中心医療を実現するためナラティヴ・アプローチが興ってきました。しかし、現実はまだまだエビデンス=EBMという誤解が蔓延し、患者中心をめぐる議論においても、よく聴けば、異なる専門文化同士の論争であったりします。NBMの提唱者の1人であるT.Greenhalgh先生は、最近の英国におけるEBMの現状を憂いてrubbish EBM(rubbishはゴミ、屑、がらくた、つまらないものなどを意味する英語)と批判し、EBMが本来目指した姿、彼女のいうreal EBMに立ち戻る必要性を強調しているそうです。これは極めて個人的な意見ですが、サイエンスの暴走に歯止めをかける最強の武器が「倫理的態度」ではないかと思うのです。

■医療界の”地の塩” になる?

ナラティヴ・アプローチは社会構成主義を背景に医療人類学、社会学、精神医学、臨床心理学、文学などさまざまな学際的な背景を有していますが、今後サイエンス、エビデンス偏重の医療界に大きな影響を与えていくためにはナラティヴな実践を行う者が「倫理的な態度」を身につけていく必要性があるのではないかと感じました。

そこで、ナラティヴを標榜する者は途轍もなく高いハードルではありますが、「倫理的な態度」を身につけ、医療界の”地の塩” となることが求められていると言ったら少し言いすぎでしょうか?

でも、そんなことを感じた「ものがたり塾2017」でした。
松嶋先生、金城さん、大変お世話になりました。

Tags:

No Comments so far ↓

There are no comments yet...Kick things off by filling out the form below.

Leave a Comment

You must log in to post a comment.