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Diabetes Cafe:糖尿病診療におけるナラティヴ・アプローチ

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患者中心であるとは どういうことか?No2

1月 29th, 2017 · No Comments · 患者中心主義, 糖尿病療養指導

【連載2回目】Patient-Centeredで何を優先するのか?

第1回目でPatient-Centeredをどのように定義づけるか?が患者中心の療養指導を議論する上でとても重要であり、また患者とのコミュニケーションの質を高め、お互いがお互いの考えに影響し合う治療的医療者−患者関係を構築することが、患者中心のケアをもたらす上で重要であることを書きました。

今回はさまざまな意味付けをされているPatient-Centeredという言葉を分類してみました。この分類は、患者のパフォーマンスを最大限に高めることで、アウトカムを改善していくためには、何を優先するべきか?がPatient-Centered Diabetes Careであるという立場からリストアップしたものですが、さまざまな観点が考えられます。

医療従事者は自分が考えるPatient-Centeredな物差しが、患者の希望に沿うものかどうかを確認することが求められるのではないか?と思います。

A.Medicine-Centered Care
正確な患者の病態診断に基づいて治療を行うことが、患者の希望に合致すると考えられるケース。Medicine-Centered Careを、患者が何を優先するかによって、さらに4つに細分してみました。
A-1:Priority to Glycemic Control (血糖改善効果を優先する)
A-2:Priority to Weight Reduction(体重減少効果を優先する)
A-3:Priority to CVD Risk Reduction (動脈硬化リスク低減効果を優先する)
A-4:More flexible、More easy to practice(より柔軟で実行しやすいことを優先する)

B.Evidence-Centered Care
エビデンスを最優先することが、患者の希望に合致すると考えられるケース。これは糖質制限食の実践者などに多いですね。

C.Life Style-Centered Care
患者の嗜好、ライフスタイルなど患者の文化的な背景をもっとも優先することが、患者の希望に合致すると考えられるケース。
D.Value-Centered Care
患者の価値観をもっとも優先することが、患者の希望に合致すると考えられるケース。

D-1:食のQOLを重視する文化(美味しさ、満腹感)
D-2:美味しさよりも痩せることを優先する文化
D-3:何よりも血糖値が上がらないことを優先する文化

D-4:健康よりも仕事を優先したいという文化

■結びの言葉

以上、Patient-Centeredという言葉に込められた様々な意味をリストアップしてみましたが、まだ他にもあったらコメント下さい。医療専門職はみんな患者中心医療をめざしていながらも、優先すべきものが異なるために、医療者自身が対立したり、また医療者の思いが患者に理解されずにすれ違ってしまっていることが分かります。

つまり、私たち医療専門職は自らが考えるPatient-Centered Careで優先したいものが、患者の求めているものと一致するかどうか?を慎重に見極め、一致しなければ、患者の考えを尊重しながら、Negotiationを図ることが重要であることが分かります。

次回は、医療者が考えるPatient-Centered Careと患者の希望との乖離を埋めるためのヒントについて解説したいと思います。

Feelings and Expressions

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