ナラティヴ・カフェ Narrative Cafe

Diabetes Cafe:糖尿病診療におけるナラティヴ・アプローチ

ナラティヴ・カフェ Narrative Cafe header image 2

インスリン導入におけるPatient-Centered approach

8月 15th, 2016 · No Comments · インスリン療法, 患者中心主義

 2016年8月12〜14日、静岡県つぼみの会サマーキャンプに参加しました。会場は三島市立「箱根の里」で、静岡県全域および県外から参加した1型糖尿病患児とそのご家族、ボランティア、医療スタッフなど合わせて98名が参加しました。僕は2日目の講演を担当、講演タイトルは『病いの達人になる』でした。講演が終了後、キャンプに参加していた若き糖尿病専門医からの質問に答えながら、気がついたことを書きます。

■サマーキャンプに参加していた若き医師から頂いた質問

最前列に座っていた若き応援医師の先生達に質問を投げかけながらレクチャーを進めていたのですが、「流石、キャンプに参加するような先生は違うなぁ」という回答が返ってきました。そして、講演終了後に頂いた質問がこれ。
Q.日常診療をしている中で、インスリン療法が必要だと思うのですが、なかなか勧めても受け入れて頂けない患者さんがいる訳ですが、そういう場合、どうしたら良いのでしょうか?

回答

「ひとり一人、最良の方法は違うと思うので、一般的な回答をすることは難しいけれど、その患者さんがインスリンを開始できない、様々な要因(心理的、社会的)を探求し、理解できると思えるレベルまで医師−患者関係を深めることができて、『正直、これで患者さんから断られたら、内心かなりショックだよ』と思えるくらいの渾身の想いでインスリン導入を勧めることができたなら、たとえ患者さんからインスリン導入を断られたとしても、それは医師にとっても、患者にとっても、貴重な体験で、ひょっとすると2人の関係性が大きく変わるチャンスにもなる」と答え、医師も患者も大きく成長できた僕自身の体験について語りました。

このように考えると、インスリン導入の説明と同意(Informed choice)は「医師−患者の関係性」という次元で説明できることに気づきます。すなわち、インスリン導入を受け入れない原因を「患者の理解力」や「患者の変化ステージ」のせいにするのではなく、患者に対する自らの想い(患者との関係性)が、まだ患者さんの心に変化を引き起こすレベルには達していなかったと反省するのがインスリン導入におけるPatient-Centered Approachではないかと思った次第です。

Tags:

No Comments so far ↓

There are no comments yet...Kick things off by filling out the form below.

Leave a Comment

You must log in to post a comment.