ナラティヴ・カフェ Narrative Cafe

Diabetes Cafe:糖尿病診療におけるナラティヴ・アプローチ

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ナラティヴ・アプローチとの出会い

2月 1st, 2016 · No Comments · ナラティブ・ベイスメント・メディスン, ナラティヴ・アプローチ(病いの語り、意味)

ナラティヴ・アプローチとの出会いについて書いてみたいと思います。

2003年来日していたTrisha Greenhalgh教授のNarrative Approach to Clinical Consultationという基調講演を聴き、筆者は鳥肌が立ちました。。なによりも、人を理解する手段としての物語という概念に心を奪われました。ナラティヴ・アプローチについて限られた紙面で解説することは困難なので、今後 追々説明したいと思いますが、今回はEBM(Evidence Based Medicine、根拠に基づく医療)とNBM(Narrative Based Medicine、対話に基づく医療)の違いについてスライドを使って説明したいと思います

EBMが「実証主義的なパラダイム」であるのに対して、NBMは「解釈学的なパラダイム」と言えます。したがって、患者さんの話の聴き方が大きく異なります。EBMは生物医学モデルに立って、患者の話が真実かどうか、合理的かどうかに焦点を当てて聴くことになります。EBM(エビデンス・ワールド)では何よりも客観性が重視されるので、「患者の体験」に基づく主観的な意味付けは軽視されるか、発言を制限されます。なぜなら、医師にとって、病いの経験は、病的な生理学的な変化の痕跡を曖昧にするものだからです。近代医学教育では医師は主観的な訴えは疑うように訓練されています#5。

一方、NBM(リアル・ワールド)においては、医師は「患者は何を訴えたいのか?」という点に焦点を当てて聴くことになります。そこでは、

    患者の体験に基づく個人的な意味付けが重視され、医師はそこから患者の行動の解釈をめざします。

また、EBMでは常に「病気は『問題』である」と捉えられ、

    患者の人生から病気だけを切り離して、イベントやアウトカムにばかり焦点が当てられます。

これに対して、リアルワールドを扱うNBMでは「病気は『人生に展開する物語』と考えられ、病気も患者の人生の一部と捉えられる。Greenhalgh教授の“病気を『物語』と捉えて理解する”というプレゼンテーションを聴きながら、筆者は心が震えるくらい感動したことを覚えています。

クリックで画像は拡大します。

表2:EBMとNBMを対比する(JPEG)

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