ナラティヴ・カフェ Narrative Cafe

Diabetes Cafe:糖尿病診療におけるナラティヴ・アプローチ

ナラティヴ・カフェ Narrative Cafe header image 2

カーボカウントは栄養療法のテーラーメイド化に必須のツールである

9月 22nd, 2012 · No Comments · 糖尿病食事療法

連休の初日、皆さんいかがお過ごしでしょうか?

今日は『テーラーメイド栄養療法』というテーマで連続ツイートしたので、それを繋げて、Blogとしてご紹介したいと思います。

「テーラーメイド栄養療法」とは何か?その定義は人によって異なるかもしれません。しかし、それは少なくとも患者の希望に焦点を当てたものでなければならないはずです。栄養療法の選択でもっとも考慮すべき点は患者の病態(低インスリンレベル/高血糖、高インスリンレベル/高血糖、BMI、合併症の有無など)であることに異論はないと思います。しかし、同時に栄養療法は患者に遵守されてこそ、その効果を発揮するものであるということも忘れてはなりません。食事療法は難しい。頭で解っていてもできない。だから患者は自分を責める、それはとても辛いことです。それ故、食事療法の遵守率を高めるためにはテーラーメイド化が大切です。

糖尿病療養指導に関わる医療者は、それぞれの患者が置かれた状況を的確に判断して、それぞれに適した介入モデルを用いることが重要です。そうすることによってはじめて『テーラーメイド栄養療法』は実現するのではないでしょうか? 人の行動に介入するアプローチには『生物医学モデル』『生物社会モデル』『生物心理社会モデル』の3つのモデルがあります。この3つのモデルを患者によって使い分けることが肝要です。

生物医学モデルに基づく「バランス食 vs 糖質制限食」の議論に辟易している人々は多いと思います。カーボカウントは患者中心の栄養療法の実現には不可欠のツールであるということを一人でも多くの医療者に理解してもらいたいと思います。

それでは、以下に今日の連続ツイートをご紹介します。

『テーラーメイド栄養療法』についての連続ツイート:今、DM栄養療法の本を執筆中。アイデア構築のためにモヤモヤしている頭の中のアイデアを整理したいと思う。果たして、結論めいたものに辿り着くかどうか、分からないけれど、このテーマで連続ツイートを試みる。ブレイン・ストーミングだ。

DM栄養療法の選択にとってもっとも重要なことは【患者の病態】(低インスリンレベルで高血糖)、高インスリンレベルで高血糖、肥満の有無、合併症の有無など)を考慮することが大切だ。しかし、これだけでうまくいくなら、この世に糖質制限食は誕生していないだろう。

食事療法は難しい。頭で解っていてもできない。だから自分を責める、それはとても辛い。それ故、テーラーメイド化が必要になる。人の行動に介入するアプローチには『生物医学モデル』『生物社会モデル』『生物心理社会モデル』の3つのモデルがある。【患者の病態】を考慮する方法は『生物医学モデル』だ。

しかし、この方法だけではうまくいくはずがない。DM者の病態を考慮することは大切。でも、その人の病態はその人の意思を反映していない。むしろ、大抵はその反対だ。「したい」と思うことが『できない』からこそ、病態を形成しているとも言える。だから『できない理由』を考えることが必要になる

『できない理由』:第1にその人がそうした行動変化を望んでいないこと。第2に望まれるような行動変化を起こす環境にないことなどが挙げられる。前者の場合、その人にとってもっと優先すべき事柄がある、つまり「価値観」の問題があり、後者には行動変化に必要な社会的リソースの欠如や心理的問題も含まれる。

行動変化を望まない理由が食の嗜好や食生活スタイル、お金を含む社会的リソースに関連したものであれば『生物社会モデル』が必要だ。肥満、無職男性、シフト勤務者、飲酒習慣なら、さまざまな受け入れ可能な代案を提供すれば良い。「その食事量じゃぁ無理」「酒無しの生活は辛すぎる」などに答えていく。

もしもできない理由がその人の「信念」に基づくものであったり、心理的問題であった場合、医療者はさらなる譲歩をして代案を探す必要がある。でも代案を提示する前にやるべき大切なことがある。それはその人の価値観、感情を傾聴して、いったん『受け止める』ことだ。実はこれはかなり訓練を要す技術だ。

こうしたもっとも難しい代案提示が『生物心理社会モデル』である。このモデルにおける医療者の役割は患者の話を傾聴し、しっかりと受け止め、共に考え、まさに「その人にしかできない食事療法を発見すること」と表現することもできるだろう。これはとても大変な仕事だが、達成した喜びも大きいだろう。

強い危機感をもったやる気満々の患者、仕事に追われる猛烈社員、心身疲れ果てたDM者、失職した独居男性。それぞれの置かれた状況を的確に判断して、それぞれに適した介入モデルを用いることによって、『テーラーメイド栄養療法』は初めて実現する。栄養療法とはまさに創造的なアートと言える。

以上、『テーラーメイド栄養療法』というテーマで連続ツイートを試みました。うまくまとまらなかったけれども、少しだけモヤモヤが晴れてきたような気がします。お付き合い下さった皆さん、有り難うございました。

以上でした。

 

Tags: ·······

No Comments so far ↓

There are no comments yet...Kick things off by filling out the form below.

Leave a Comment

You must log in to post a comment.