ナラティヴ・カフェ Narrative Cafe

Diabetes Cafe:糖尿病診療におけるナラティヴ・アプローチ

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食卓画像とメールを用いた栄養指導の試み

7月 16th, 2012 · No Comments · 糖尿病療養指導, 糖尿病食事療法

今日は青空が素晴らしいですね。雲も素敵です。

さて、昨日行った定例のカーボカウント研究会の報告をします。冒頭、僕が「非インスリン2型DM患者に対するStructured SMBGに基づくカーボカウント指導および薬剤最適化プログラムの実践」について話しました。薬剤最適化に関してはワークを取り入れたレクチャーであったため、90分ほどかかってしまいました。

その後、「日本版Healthy Food Choice 」「糖尿病患者のための栄養バランスガイドを開発して活用する」について、担当者から発表があり、その後「教育媒体開発チーム」から経過報告がありました。そして最後に「食卓写真を栄養指導に活用する」というテーマで担当者から発表がありました。

どの発表もとても聞き応えのある素晴らしいプレゼンでしたが、一番最後の「食卓画像を活用した栄養指導」がとても印象的だったので、少し感想を述べたいと思います。

指導はメールを活用して、画像とご本人のコメントを受信、それを読んだ栄養士がレスするという形で進められます。これまでの栄養指導は患者さんの食事記録に基づいて、栄養士がアセスメントと指導を行うという方法が行われています。

しかし、食卓画像とメールを活用した指導は、食事記録とは明らかに異なった特徴を有しています(因みにメールの代わりに『Line』を活用すると、さらに迅速な相互作用が可能になると思います)。

■写真から伝わってくる患者さんのリアルな人生

「コンテクスト(背景文脈)とは、その人が演じている人生の舞台である」と言われます。彼女の発表で紹介された写真を眺めながら、さまざまな思いが去来しました。可愛らしい娘さんとその向こうで調理する奥様の姿。きっと何かのお祝いだ。とても美味しそうな料理が並ぶ。幸福な家族の空気。また職場の同僚に遠慮しながら食べた外食の写真。食卓をめぐる風景はその患者さんの背景文脈(コンテクスト)を明確に伝えていました。

元々自己開示が乏しかったという患者さんの思いはメールや絵文字に見事に表されていました。双方向のやりとりによって、患者さんの自己開示が促進され、医療者ー患者関係が少しずつ深まっていったのではないかと推察されました。

■画像と双方向メールによって、全人的で包括的な視界が得られる

こういう指導体験を聴いていると、今までの栄養指導がいかに「一方向性」であったかと気づかされます。患者さんの食事の画像とその食事にまつわる思いが伝えられ、それを見た医療者の主観的な思いが率直に返されながら進められる栄養指導。時間外の医療加算がとれないっていう指摘は課題として残るかも知れませんが、僕ならこんな楽しい指導ならタダでもやりたいなぁと思います。食事からその人の人生や生き方が見えてくる。そうすると、今までよりもずっと包括的な指導が展開できそうな気がする。「カロリーや栄養バランスばかり見ていないで、その人の人生全体を見なよ」って声が聞こえてきそうな楽しい発表でした!

 

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