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Diabetes Cafe:糖尿病診療におけるナラティヴ・アプローチ

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インスリン治療に遅すぎることはないと教えてくれた女性

7月 13th, 2012 · No Comments · インスリン療法, 糖尿病療養指導

インスリン治療はいつ始めたとしても遅すぎることはない!と教えてくれた女性をご紹介します。

60才の節目健診で糖尿病を指摘されたが放置。2年前から急に体重減少が進行し、50kg→40kgとなり、近医を受診、すぐに治療を開始されましたが、改善せず、2008年6月糖尿病外来を初診された、現在71才、BMI 15.4の独身女性です。

僕の外来を初診するまでの2年間、彼女のA1cはずっと11%以上であったそうです。初診時より増殖前網膜症を認めたため、BOTからゆっくりと治療を開始、ランタス16-0-0、ノボラピッド4-4-4で緩解状態になり、今日までA1c 5%台をキープしています。増殖前網膜症もレーザー治療によって、現在はすっかり安定しています。

とても生真面目な方でカーボカウント指導をしても、言われた通りにしか打てず、B/Bをしているにもかかわらず、低糖質食を食べ、ときどき低血糖を起こしていました。BMI 15台、少し高糖質食を食べても高血糖を来す方なので、ついつい、今日までズルズルとB/Bを継続してきてしまいました。

しかし、先月、ジャヌビア50mg+アマリール0.5mg+ランタス12単位へ変更し、ノボラピッドを中止しました。

この写真はB/BからジャヌビアBOTへの変更を決めたときのSMBGです。

 

 

5週間後の今日、彼女が来院。この写真はジャヌビアBOT後のSMBGです。

A1c(NGSP)5.7 → 5.4%、かえってA1cは改善していました。指示したとおり、朝・昼・夕食について、食前/食後のペア測定をしてくれています。
・昼食前、夕食前に低血糖を認めます。
・食後血糖値も概ね<140mg/dlです。

以上より、明日からランタスは12単位→8単位へ減量することにしました。ひょっとすると、インスリンを中止する日も近いかも知れません。

余談ですが、彼女の眼科主治医は「あなたをはじめて診たとき、私はあなたはきっと失明すると思った。糖尿病の先生には感謝しなさい」と言ってくださったのだそうです。

 

彼女の臨床経過は
「インスリンはいつから始めたとしても、決して遅すぎるということはない」と教えてくれました。彼女に感想を求めると、「もうノボラピッドを打たなくてもイイのかと思うと、凄く嬉しいです」と言ってくれました。

Twitterでツイートしている通り、GLP-1アナログ製剤についても色々と貴重な体験をしていますので、また時間を見つけて、まとめてみたいと思います。

 

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